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2018年10月

2018年10月31日 (水)

iPad専用 D.P.P. : Canon Digital Photo Professional Express

実質的にこれまでのiPad Proと互換性を断ち切った第2世代iPad Proが発表された数日前、リリースされたキヤノンのRAW現像ソフト Digital Photo Professional (D.P.P.)のiPad専用バージョン、Canon Digital Photo Professional ExpressをiPad Proにインストールしてみた。

Digital Photo Professional Express_01

iOS版だけどiPhoneには非対応。Android版も存在しないので、iOSタブレット用と言ってもiPad専用。さらにEOSのRAW現像ソフトだけど CR2(EOS 5D系、EOS-1D X 系)には非対応で、CR3のキヤノンRAWのみ。要はEOS Kiss M とEOS Rしか、いまのところ対応機種は存在しない。

Digital Photo Professional Express_02

D.P.P.へのインポートは、Canon Camera Connect(EOSとのWiFi接続/制御/転送アプリケーション)を介したRAW/JPEG取り込みか、カメラロールからのJPEG取り込みのみ。
*iPadのカメラロールにはCR3は保存できないため

というと、圧縮効率が良くなったCR3とはいえ大容量のRAWファイルをWiFiでEOSから転送するしかないの?時間かかりすぎる。

Digital_photo_professional_express_

そう思うと新型iPad Proが USB-Cになったのはとても正しい進化だと思う。USB-CでEOS Rと直接接続、もしくは今回、iPad Proと同時発表されたUSB-C - SD カードリーダーをおそらくDigital Photo Professional Express もしくはCanon Camera Connectがサポートすると思うので、実用的な転送速度でのインポートが可能になるはず。

EOS R USB-C

EOS RもUSB-Cだしね
余談だけど、EOS Rに同梱されているUSB-Cケーブルはキヤノンロゴの入ったレアなUSB-Cケーブルです。

Digital Photo Professional Express_04

D.P.P. for iPadに取り込んだ後は比較的快適に操作が出来る。
トーンカーブの編集なんかは指で直接弄る方が心理的にはダイレクト感があっていい。

ただ、D.P.P.はPC版もそうなんだけど、スライダーやカーブの操作がリアルタイムに画面に反映されるのではなく、手を放すと確定されるU.I.なので、せっかくのダイレクト感が台無しなのは否めない。
ここはPhotoshopのようなリニア反映型に転換して欲しかったなあと思う。

Digital Photo Professional Express_05

とはいえ、ピクチャースタイルやその他の変更が現像しながら容易に行えるのはとても魅力。

なんだけど・・ね。

Digital Photo Professional Express_06

エクスポート(書き出し)はJPEGのみで、レシピを書き出してPC版のD.P.P.に読み込むと言った運用はできない。
   
PC版のDigital Photo Professionalとの連携機能はありません。と明記されちゃってる。

うーん、iPad上で完パケに持っていかなきゃいけないの?
それが求められるワークフローなのかなあ・・。
それに関してはクラウド前提とは言え、タブレットとデスクトップをシームレスに結ぶAdobeのLightroomの方がソリューションとして正しいように思います。

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iPad Proとダジャレのタイプ

華麗なモデルチェンジを遂げたMacBook Airは美しく素晴らしい(どこのメディアだっけ?無くなるのが既定路線みたいな書き方したの)けれど、iPad Proの進化度合いはそれ以上の飛躍ぶりで、パソコン「以外の製品」の伸びしろを見せつけられた思い。

それはともかく、iPad Proで個人的にインパクトが大きかったのが以下のダジャレ

Ipad_pro

we had to をダジャレ、と訳すとは知らなかったけれど、ダジャレ、オヤジギャグこそセンスの必要な分野と信じるmono-logue的には、アップル、さすがだと思った瞬間。

製品へのコメントや感想は、まあ、他のブログやSNSで散々量産されると思うので、個人的にはあとでゆっくり。

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2018年10月29日 (月)

EOS R とバッテリー LP-E6N

EOS RのバッテリーはキヤノンEOS用バッテリーのメインストリーム LP-E6N。
LP-E6Nはちょうど10年前EOS 5D Mark IIと共に登場したLP-E6、のマイナーチェンジモデル。
EOS 5D 初代や EOS 40D、50DまではBP-511AでEOS 5D Mark IIからLP-E6に。
2014年、EOS 7D Mark IIのときに LP-E6Nにマイナーチェンジ。

EOS R & LP-E6N_01

写真左からBP-511A(1390mAh/80g)、LP-E6(1800mAh/80g)、LP-E6N(1865mAh/80g)
4年前の時は容量が3.6%増えただけで文字通りわずかなアップデートに思ったのだけど。

EOS R & LP-E6N_02

EOS Rではカメラ内USB充電に対応。LP-E6ではカメラ内充電に非対応なのを見ると、4年前にいまを見越した(?)仕様に変更されていたのですね。
EOSの動画サーボAF速度カスタマイズに対応するのが2009年以降のEFレンズであること(動画サーボAFカスタマイズ機能は2014年に実装)など、キヤノンは未来の仕様に備えた仕込みを数年単位で行う。

EOS R & LP-E6N_03

USBによるカメラ内充電をどのくらい使うかはともかくとして、EOS R運用時はEP-E6Nを使わないと。ですね
(互換バッテリーはどうなんんだろ?可能だとしてもカメラ内充電は危険だと思います)

の割にEOS Rのバッテリー管理機能は、E6とE6Nを見分けているのに表示では分けてくれないんですよね。
ここの表記も自分で変更させてくれたらいいのになあ。

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2018年10月28日 (日)

SUBARU XV Advance の違い

モデルチェンジからおよそ1年半。SUBARU XVが年次改良され、アプライドC型になりました。
(XVはインプレッサの派生型なので、現行の5代目インプレッサがGT系のアプライドA、XVはアプライドBからスタート)
で、アプライドC型 にあわせて、新仕様 e-BOXER搭載モデル XV Advanceを追加。
ショールームでどこが違うか、変更点を見てきました。

SUBARU XV Advance_01

XV Advance 専用色 ラグーンブルー・パール
個人的にはそそられないカラーだけど、新型とひとめで分かるのはいいのかも(アドバンス限定だし)。

SUBARU XV Advance_02

で、XV Advance(C型)と XV(B型 2.0i-S)と、見える部分の比較。

SUBARU XV Advance_03

やはりいちばん大きな相違点はルーフレールがラダータイプからローマウントタイプになったこと。これ、アプライドC型がローマウントタイプになったんじゃなくて、他のグレードは従来と同じラダータイプで、アドバンスのみローマウントタイプ。しかもラダータイプは選択できない。
(ちなみにオプション価格は同じ)

SUBARU XV Advance_04

ローマウントタイプになったことで車高は20mm低くなって1575mmになったけれど、これで機械式駐車場の選択肢が増えたとは思えないし、自分はラダータイプのルーフレールの方が好き。
いや、事実上、ジオングの脚状態なのは認めますけどね。

Subaru_xv_advance_18

同じくXV Advance専用のサイドクラッディング処理。これは標準でこうなっていて、オプションのサイドアンダーパメルは装着不可。
写真は上からアドバンス標準デザイン。他グレード オプション。他グレード 標準。
ワタシはサイドは標準仕様のママです。

SUBARU XV Advance_05

サイドとリアにe-BOXERのバッジ。
新型XVに復活したハイブリッド車だけど、燃費は2.0i-S比でおよそ2割程度の改善で、まあ、燃費で選ぶならスバルじゃないよね、と改めて思わせる感じ。
重量が2.0i-Sより110kg重くなってるしね。

ちなみにサイズは長さ、幅、高さともXVは共通だけど、後席の室内高のみアドバンスは15mm低いのは電池があるせいですよね?

SUBARU XV Advance_06

フロント。
フロントグリルはシルバーで囲み、「力強さと安心感、最上位グレードにふさわしい上質さを」とカタログには書いてあるのだけど、去年、XV登場時にはSUBARU デザイン部の安藤氏が「一般的には高級に見せるためにクロームやシルバーの枠を付けたりしますが、今回それをやっていません」(モーターファン別冊 新型XVのすべて P30)と言ってるんですよね(笑)

SUBARU XV Advance_07

ヘッドランプは光輝プロジェクターリングになったようですが、よく分かりません(笑)

SUBARU XV Advance_08

フォグランプはLEDになって、さらにコの字型のアドバンス専用フォグランプカバーが囲み、スクエアな印象に。

SUBARU XV Advance_09

他のグレードはワタシのアプライドB型と同じ丸目。(ウチのはオプションのLEDライナー付き)

SUBARU XV Advance_10

アプライドCでは後進時自動ブレーキシステムがほぼ標準装備になったけれど(ウチのは別途オプションでセンサーつけています)、アプライドCからオプション設定されたサイドビューモニターは狭い道の幅寄せ時には楽そうだよねえ、と思った。

SUBARU XV Advance_11

これもなぜかアドバンス専用らしいけれど、ルーフスポイラーのサイドが光沢感のあるピアノブラック塗装に変更。
他のグレードはアプライドB型と同じマット樹脂。これはたしかに高級感が増した感あります。

SUBARU XV Advance_12

インテリアはアドバンスのみブルー内装が選べます(他のグレード同様のブラック内装はおって追加)

SUBARU XV Advance_13

なんでここがグロッシーなブルーになるかなあ、とは思うものの、そこは好みの問題か。

SUBARU XV Advance_14

ステッチもブルーに。

SUBARU XV Advance_15

ハンドルステッチもブルーに。

SUBARU XV Advance_16

で、展示車の後席、ドアよこにスリットがあって、これ、なんだろうと思ったら、クマデジタルさんはじめFBの友人達に、バッテリーの冷却孔だと教えて貰いました。
なるほど、とすると、これもアドバンス専用なんですね。

SUBARU XV Advance_17

という訳で外観から見るSUBARU XV Advanceの違いでした。

まあ、ワタシは自分の子への贔屓目もあって、アドバンスじゃないXVがカッコイイと思います(笑)

SUBARU XV_102

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2018年10月26日 (金)

EOS R 発売とビデオSALON WEBでレビュー書きました

2018年10月25日 キヤノン EOS R 発売

一眼動画を切り開いた銘記にして名機、Canon EOS 5D Mark IIからちょうど10年。

EOS R

先日書いた EOS 5D Mark III と EOS 40Dの代わりに、やってきました。

そして、ビデオSALON WEBで
【斎賀教授のアフターファイブ研究室 特別編】 EOS R のスチル&ムービー機能を評価する
公開されました。

Videosalon_web

EOS R 発表会に呼んでいただき、その後、ちょっと空いて(メジャーな方々のあとで)3週間ほど、検証機をお借りして書いたレビューです。
それなりに、良い部分も悪い部分も感じた上で結論は「買おう」でした。

今後は、ここmono-logueでも書いていく予定です。

EOS R 4K切りだし

EOS R 4K動画から切りだし

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土日は大学祭(駿輝祭)

今度の週末、と言っても明日明後日ですね。は、本務校の大学祭。ワタシの勤務する大学では駿輝祭といいます。
第32回 駿輝祭

駿輝祭2018

ゼミ展示(ゼミ発表)は義務でもないし、やれとも言わないのですが、なぜか斎賀ゼミは毎年ゼミ展示をやっています。
今年も準備に余念のないゼミ生たち。グリーンバック撮影体験展示用にアイロン掛けを一生懸命。
今年はVR体験のほか、わたしのミニ写真講座もあるらしく、盛りだくさんです。瞳にアイキャッチの入るスマートフォン自撮りコーナーも。

駿河台大学メディア工房2018

展示会場はゼミのホームグラウンド、メディア工房。
どんな演習室でゼミが行われているかもチェックしにお越しください>高校生の皆さん。

ものすごく絶妙な?タイミングで、戦場カメラマン 渡部陽一氏の講演会もあります。
2018年10月27日(土)13:00~ 入場無料

斎賀ゼミ2018_2

毎年、メンバーも違い、結果、ノリも違う斎賀ゼミですが、今年の3年生達も楽しくがんばっています。
OB/OGの方々も遊びに来ます。

斎賀ゼミ2018_1

ワタシは土日とも(大学には)います。ゼミ展示会場に居なかったら学生にお声がけ頂ければ呼び出せます(笑)
飯能でお会いしましょう。

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2018年10月24日 (水)

EOS 5D Mark III 売却 とEOS 40D ドナドナ

サブ機として活躍していたEOS 5D Mark IIIを売却しました。
思えば6年前、発売前の検証機を使ってキヤノンの体験会でデモしたのもよい思い出。

EOS 5D Mark III

メイン機のEOS-1D X Mark II、手軽なサブシステム(サブ機ではない)のOM-D E-M1 Mark IIの狭間で出動回数は減っていたとは言え、仕事の時はカメラバッグの片隅に入っていた信頼感のあるカメラでした。

そして、事実上、タンス(ではなくエレクター)の肥やしになっていた EOS 40Dをドナドナ。
これで、私の手元から APS-C 一眼レフがなくなります。
(初代EOS MがあるのでAPS-C EOSは残るのですが)

Canon EOS 40D

そっか、EOS 40Dを使っていたのは11年も前のことなのか。
クマデジさんも40Dユーザーだったはずだけど、どうなっているかなあ。

ちなみにワタシ、その前のEOS 5D Mark II は自分の大きな分岐点になった機体なので、動態保存しています。

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2018年10月21日 (日)

リーズナブルな本格派カラーマネジメントディスプレイ:BenQ PV270

液晶ディスプレイはずいぶんと安価になって手が出しやすくなりました。品質も概ね良くなっていると思います。その一方で、ハイエンド型のカラーマネジメントディスプレイは減っているように感じられます。
かつてワタシも使っていたダイヤモンドトロンの三菱は数年前にコンシューマー用ディスプレイから撤退し、NECディスプレイソリューションズはWUXGA(1920x1200)の24型をラインナップするのみ。国産では王者EIZO以外の選択肢が事実上無くなっています。
そんな中で気を吐いているのが台湾を拠点とするBenQ(ベンキュー)。
その最新型カラーマネージメントディスプレイ PV270を3ヶ月に渡ってお借りしたので、良いところ、気になるところをレビュー形式で書いていきます。

BenQ_PV270_01

関係性の明示
CP+2018でBenQ社プレゼンツstudio9の中原一雄さん(デジカメWatchのレポート記事)、フォトグラファーの東真子さんさんのステージ(エアロブレインのレポート記事)でモデレーターを務めた縁で、同社よりPV270を約3ヶ月お借りして使いました。
それ以外の利益供与(報酬等)はありません、PV270も返却済みです。本レビューはBenQ社に感謝しつつもフェアな視点で書いているつもりです。同社に原稿チェックはさせていません、事実誤認や間違いがあれば修正し修正点を明記します(誤字脱字の修正を除く)。
このブログにおける【AD】【PR】等 表記と運用ポリシーについてはこちらをご覧下さい。
http://mono-logue.air-nifty.com/monolog/privacy_policy.html

BenQ_PV270_02

BenQは比較的リーズナブルなディスプレイを多数展開するメーカーですが、本格的なカラーマネージメントにも熱心でハイエンドなカラーマネジメントシリーズをラインナップしています。
PV270は、そのなかの最新モデルで 27inch型 WQHD(2560 x 1440)です。

2018年10月現在、BenQのWEBサイト(日本語版)にあるカラーマネジメントディスプレイはPV270を含め5機種。うちSW320は使ったことがないので除外して他の4機種は試しています。主要スペックを一覧にしてみました。

Benq_pv270

SW271は4K UHD、SW240はWUXGAと解像度が異なり、SW2700PTと今回のPV270が同じ27型WQHD。
WEBの製品説明にはSW270が「SW2700PT」のグレードアップ版と位置づけられていますが、その言い方を使えばPV270はSW2700PTの後継モデルとも言えそうです。ただ、2700PTは2016年モデルとやや古いものの現行機種。

BenQ_PV270_03

個別レビューの前に3ヶ月使用した印象で総括すると、PV270はこれまでのBenQカラーマネジメントディスプレイのなかで最も本気の色管理を指向するとともに、均一なユニフォーミティを実現する仕様と、映像制作用途に向けて24P正規再生をサポートするなどハイエンド機と呼ぶに相応しいモデル。ただし、キャリブレーション等の手間を惜しまない運用をすれば、というエクスキューズがつく。という印象です。

BenQ_PV270_04

コントロールボタンはセンサー型。使用時以外は消灯しているため物理ボタンに較べスマートなUIを実現している。
ベゼルに触れるとボタン相当部が点灯し、OSDメニューが表示される。

BenQ_PV270_05

メニューは当然ながら日本語化されています。

いちばん気になるカラーモードプリセットは、Adobe RGB、sRGB、DCI-P3、Rec.709、D50、D65。

BenQ_PV270_06

2700PTで便利だったOSDコントローラーは不採用ですが、あの便利なコントローラーは使わないときに意外と邪魔(とくにケーブルが)というマイナス面もあったので、この方がトータルでは正解かも知れません。

BenQ_PV270_07

入力系はDVI-DL  / HDMI 1.4  / Display Port 1.2 / mini DP1.2 が各1
(右端はUSBのアップストリーム)
非常に充実していますが、SW271のようにHDMIが2系統ある方がイマドキのPC環境では実用的だったようにも思います。
同梱ケーブルもDVI-DL / miniDP to DP / HDMI / USB3.0 / と全部付き、状態ですが、初期出荷分にはHDMIケーブルが同梱されていません。該当ロットのユーザーはサポートセンターに連絡すると対応してくれます。

BenQ_PV270_08

側面にはSDカードスロットとUSB 3.0 ダウンストリームが2ポート。
SW271等でも側面にカードスロットとUSBポートがあったものの、筐体デザインの関係か奥まっていてフードの裏側にあって実際には使い勝手が悪く、これはCP+の同社ブースでのプレゼンテーションでも指摘したのですが、なんとPV270ではフードに専用の切り欠きを設けてまで使いやすい位置になっていて、ヒデキ感激(古い)です。

BenQ_PV270_09

スタンド部の上下昇降幅は150センチ。この昇降幅は大きく実用的。
写真はありませんが左右のスイーベル角度はそれぞれ45°あり、チーム作業時には有効に思います。
(自室ではそこまでスイーベルさせることは滅多にありませんが)

BenQ_PV270_10

上下昇降幅に関しては下限位置の低さも○でしょうか。

BenQ_PV270_11

さて、PV270の大きなアドバンテージであるカラーマネジメント。
冒頭に書いたように近年は液晶の基本品質も向上し、特にカラーマネジメントを謳わなくても美しい画面表示を実現しているものは少なくありません。
しかし、カラーマネジメントの本質は、「綺麗な表示」ではなく「正しい表示」です
写真現像、デザイン作業、映像編集の際、アウトプットのための基準として信用できるか、が最も重要なポイントです。
EIZO社のディスプレイがプロに絶対的な信用を置かれているのもそこに理由があります。

そしてBenQ社もまた、正確な色表示に対して地道な努力を続けてきているのは、ICC(International Color Consortium)やISO(International Standard Organization)への積極的な参加、X-Rite社との協業などをみてもよく分かります。

BenQ_PV270_12

PV270には全台、出荷時に調整、検証されたレポートが付属します。
1台1台調整されてるならそれでいいんじゃない?と思いたいところですが、そうはいかないのがカラーマネジメントの難しさ。ディスプレイというハードウエアは経年変化を避けられないのですね。

BenQ_PV270_13

例えて言えばクルマに車検があるように、カラーマネージメントされたディスプレイは定期的に再調整する必要があるのです。
写真はそのために使うキャリブレーターと呼ばれる測定機。X-Rite社のi1 Display Pro。

BenQ_PV270_14

キャリブレーターが測定した色情報を元に、ディスプレイの発色を直接コントロールするのがハードウエアキャリブレーション。ディスプレイの色ずれにあわせて、PC側のビデオ出力を調整するのがソフトウエアキャリブレーションで、ディスプレイの性能(表示能力)をフルに活かすのが前者です。
そのため、カラーマネジメントディスプレイといえば通常はハードウエアキャリブレーション対応のディスプレイを意味します。

BenQ_PV270_15

測定およびディスプレイキャリブレーションのソフトウエアはSW271等ではPalette Master Elementだったのですが、PV270ではより高度で高精度な設定が出来るPalette Master になりました。

BenQ_PV270_16

Palette MasterはX-Rite社との共同開発だと言います。機能、精度が向上した分、キャリブレーターはX-Rite社の i1 Display Pro/i1 Pro/i1 Pro 2 に限定され、従来サポートしていた他社製キャリブレーターは使用できなくなっています。
(実はワタシはSpyderだったので地味に痛い)

BenQ_PV270_17

前述の例え話のように、このモニターキャリブレーションは車検と同じで定期的に行わなければいけません。
難しい作業ではないとは言え、定期的にキャリブレーターを取付、時間を掛けて調整し、結果を保存するのは面倒くさいプロセスで、ついついサボりがちになります。

BenQ_PV270_18

EIZOはそこにアクションし、キャリブレーターを内蔵、自動的にキャリブレーションを行う機構で手間のかからないカラーマネジメントシステムを構築しました。
正直言って、このソリューションは素晴らしく、ディスプレイのキャリブレーションの億劫さを大きく低減するものです。
ただ、その手間を惜しまなければ、PV270は実用的に十分な精緻でレベルの高いカラーマネジメントを実現します。

ワタシはEIZOのCG277を使っていてこの機能にすっかり慣れてしまったので、久しぶりの測定機によるキャリブレーションは思ったより面倒で、一方で思ったより簡単で、この手間を厭わなければ、が分水嶺になると感じました。

BenQ_PV270_19

ちなみにBenQ初?かもしれないムラ補正回路による均一なユニフォーミティはPalette Masterからも均一度を測定できます。

BenQ_PV270_20

あまり話題にならない部分ですが、ディスプレイのユニフォーミティはデザインにせよ写真にせよ、重要なファクターだと思います。

さて、PV270は他のBenQカラーマネジメントディスプレイ同様にピボット機能を持っています。

BenQ_PV270_21

ディスプレイを90°回転させて縦位置(ポートレイト)ディスプレイとして使える機能です。

BenQ_PV270_22

SW271と異なり、付属フードは縦位置に対応しない構造なので、縦位置使用時は(純正では)フードなしの運用となりますが、縦位置ディスプレイの有効性は(限定的とは言え)高く、ピボットのポイントは高いです。が。

BenQ_PV270_23

ピボットするにはディスプレイを1度、上端まで引き上げて回転させるのですが
そのままだと角が当たって回転できません。

BenQ_PV270_24

ので、いったん上端に引き上げてからディスプレイ部を仰向け方向に倒し、仰角をいっぱいにつけてから回す必要があります。

BenQ_PV270_25

正面から見るとこんな感じで

BenQ_PV270_26

最後についた仰角を直します。これ、ちょっと面倒なんですよね・・・。

BenQ_PV270_27

縦位置にしたPV270。比較的狭額フレームのため、縦位置写真との相性の良いのは○。

BenQ_PV270_28

ただし、BenQロゴがシルバーで目立つのが惜しい。
EIZOのディスプレイはサイネージ運用を意識してかロゴも黒くしているので、これはBenQも追随するか、ロゴを取り外し可能にしてくれるといいなあと思います。

BenQ_PV270_29

最後にふたつのカラーモードを比較しながら同時表示できるガンマデュオ機能について。

BenQ_PV270_30

GamutDuo機能はふたつの入力(例えばHDMIとディスプレイポートなど)信号を左右に同時表示し、さらにそれぞれの表示部のカラーモードを違う設定に出来る機能。

BenQ_PV270_31

例えばsRGBとAdobeRGBを較べることもできるし、Rec.709とP3を較べることも出来る。
マルチデバイスユースが当たり前になりつつある近年の制作環境には強い味方になりそう。
(ひとつの入力を左右に違うカラーモードでワイプできたら便利なんだけどなあ)

BenQ_PV270_32

さらに、写真では表現できないけれど、24Pの正規再生が可能な仕様は、フィルムルックな映像制作用途には良い味方になると思います。

BenQ_PV270_33

映像制作用途に力を入れているならDCI-4K表示に対応して欲しいと思うなど、小さな部分では惜しい部分もあるし、およそ200時間毎にキャリブレーターで調整する必要があるものの、そこを割り切ることでEIZOの半額で買える本機は、正しい意味でのコストパフォーマンスが高いと言えそうです。
リーズナブルって、ただ安いという意味ではなく、中身に較べて安い、という意味だと思うのです。PV270はC/Pに優れた本格派カラーマネジメントディスプレイだと思いました。

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2018年10月19日 (金)

ビデオSALON11月号はミラーレス一眼動画Q&A

気がつけば10月も半ばを過ぎ、ビデオSALON 11月号の見本誌が届く。
今号の特集はミラーレス一眼動画Q&A  カメラ&機能篇。

Salon

でも表紙はPXW-Z190ですが(笑)

先日出たコマフォト11月号もミラーレス特集だったし、いま、旬なのはレフじゃなくてレス、なのは間違いない。

同時に出荷直後のブラックマジック ポケットシネマ 4Kのレビューを鈴木佑介氏が書いている。(大学で頼んだBMD Pocket Cinema 4Kはまだ来ない・・・_| ̄|○)
しかも生素材といえる Cinema DNG RAWデータ(一部)がダウンロードできるのも○。
DaVinci Resolveの習熟訓練にも良さそうな素材なので、これはありがたいところ。

アフターファイブ連載ではサムソンのポータブルSSD X5を試したのだけど、これが驚き。

SAMSONG SSD X5

マットなレッドに相応しい、まさに3倍速い、Thunderbolt 3 接続SSD。
NVM Expressで x4のリンク幅を持たせるとこうも凄いのかと思った。
おそらくG-TechnologyのG-DRIVE mobile Pro SSDも同様の速度を叩き出しそうに思いますが、円盤の時代から棒(?)の時代に変わりつつあることをひしひしと感じます。

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2018年10月14日 (日)

EOS R の予約とキャンペーンのお得度

発売を前に、EOS RのRAWに対応したD.P.P.のダウンロードが可能になり、一部店頭での先行展示も始まった。キヤノンにとって負けられない次の30年(EFマウントは31年前に登場)の先兵として初陣するEOS Rは、どんな初速を見せるのだろう。
スペック的にも価格的にも6D2クラスの中堅機に見えながら、中身は5D4クラスの初号機は初陣向けのキャンペーン作戦も展開される。
そのお得度も考えてみた。

Eos_r_10

これは、名前のよく似たEOS RT(写真はキヤノンカメラミュージアムより転載
RTはペリクルミラー、Rはミラーレスと、奇しくもミラーがキーポイントの2つのEOSは、RTは平成元年に発売、Rは平成最後の年に発売という符合も見せる。

Eos_r_11

EOS R。
ああ、こうやってみると、Rはやはり、Mのデザイン思想も継承していますね。
それはさておき、初戦用援護射撃のキャンペーンで

Eos_r_12

目立つのはやはり、総額4.5万円にも及ぶキャッシュバックキャンペーン。
EOS R、は現在のところレンズキットの設定がないのでその分の還元とも思えるけれど、別の見方をすると、EFレンズを使うためのマウントアダプタが実質2〜3千円になるとも言えて、初回出荷分にはマウントアダプタをサービス同梱するキャンペーンやってもいいのに、と考えるワタシからしてもいいアイディア。

ただ、多くのユーザーは、その実用度は未知数ながらコントロールリング付きのマウントアダプター買うよねえ、このふたつのマウントアダプタ、希望小売価格も実売もほぼ倍違うのにキャッシュバック額は同じという不思議。
そしてそれらより高価い35mmハーフマクロがキャッシュバック半額という・・・。
ので、ちょっと還元率を計算してみた。

Eos_r_13

圧倒的にお得なのはノーマルタイプのマウントアダプター。
なんと希望小売価格の62%もキャッシュバックしてしまう。実売に対してはなにをかいわんや。

一方、35mmハーフマクロは6%と還元率は1/10。

ただ、還元率が倍違ってもマウントアダプタはリング付きにしちゃうよねえ・・と思う。
思うのだけど、あれ?これ、両方買ってもそれぞれキャッシュバック受け取れるので、ノーマルの方は5,000円くらいでヤ○オクかメリカ○に・・・(以下、自粛

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2018年10月13日 (土)

コマフォト 11月号でiichiko広告特集

週明け発売のコマフォトことコマーシャル・フォト 2018年11月号が届く。
白眉は 特集 徹底解析 iichiko ロングランポスターの秘密に迫る
そう、あの駅貼りB0ポスターの「いいちこ」の広告特集。

_201811_01

表紙は君塚裕さん
タイミング的に当然、ミラーレス特集になるのだけど、EOS RやNikon Zの検証特集(柳下隆之氏)の前に、

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特集 ビューティXミラーレス として GFX50Sがどんと来るのはコマフォトらしい。

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そして、iichikoの特集。

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いいちこの広告はTVCMを含め総合展開しているけれど、やはり中心はあのポスターたち。
そして、アートディレクターの河北秀也氏。

コマフォト誌面でも書かれているけれど、三和種類にはいまでも宣伝部はない。
広告戦略はすべて河北秀也氏が担っている。
モノ(製品)ではなく世界観をみせる写真を核にした広告。言うのは容易いけれど実現するのはものすごく難しい。ましてや30年以上の時間に渡って。

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実は昔、河北秀也氏にはとてもお世話になっていて、iichikoのテレビCMの一部は編集をさせてもらっている(もちろん、河北氏の手足として、ですが)。
その意味でも感慨深い特集。

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その河北さんが送ってくれた iichiko design (しまった、サインしてもらえば良かった)

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ワタシの書棚の一角に鎮座している。

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ホントはこれがやってみたいのだけど(笑)
そうそう、いいちこのTVCM、ナレーションは河北秀也氏なんです。(全部ではない)

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コマフォトの話に戻ると、今号の南雲暁彦さんの連載、
よく見ると、カメラはフジのGFX50S、レンズはキヤノンのTS-E90mmF2.8L マクロ だ。

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2018年10月10日 (水)

JAL公式 iPhoneケース

助手の高田君がiPhoneケースを新調していた。お洒落だ!
しかも、JAL公式のオリジナルケースらしい。

JAL_iPhone_case_01

JALのオンラインショップ見ると、たしかにJALオリジナルiPhoneケースはあるんだけど、iPhone7、iPhone8版しかないように見える。
でも、これはiPhone X 仕様。
高田君の話によると羽田空港に用事があって行った際に見つけたとのこと。
ただし、iPhone X用はこれを含め2種類だったらしい。

JAL_iPhone_case_02

ICカードの収納も内側に可能。
TPUケースとしてはやや割高ではあるんだけど、これはネタとしていいよなあ。
JALロゴマークはパチモンじゃなく、ちゃんと正規のものだし。

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2018年10月 8日 (月)

Peak Design アンカー交換品届く Part 3 あるいは

ピークデザイン(Peak Design)のアンカーがリコールを出したのは、今年の6月
その対応は迅速で、小さな会社ゆえ小回りがきく&トップの判断で動けるということがあるにしても、スピード感のある対策と、事実上、無制限の無償交換。いや、手元の製品を送る必要はないので交換ですらない。

7月には大学に(演習室導入分のAnchors)対策品が届き、

ところが

Peakdesign_01

大学宛てに先日届いたピークデザインからの荷物

あれ?なんか、直輸入したっけ?
ワタシ、ピークデザインはすべて日本代理店の銀一扱いのものを国内で買っているつもりだけど・・

Peakdesign_02

香港から、ですね。中身は・・・

Peakdesign_03

アンカー V4が11セット。
あれ?7月の対策品は・・・?

なんらかのデータ整理ミスで、未対応と思われて送ってきたのか、それとも、7月に来たV4はスプリットリングが三角環だったので、楕円のリングのものに再交換なのか

えっと、これ、こんなにあっても困るのですが・・・(笑)

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2018年10月 7日 (日)

auからの感謝状

auから感謝状が来ていた。

Au

嬉しくもなんともない・・・。

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2018年10月 6日 (土)

EIZOガレリアでジェットダイスケ氏の写真展を見る

ジェットダイスケ氏をYouTuberという呼称で括ってしまうのは彼の本質を見誤ると思っている。そんなジェットダイスケさんの写真展、「空蝉Ⅱ 黄金の鎧」が、EIZOガレリア銀座で13日まで開催中。

180911_jetdaisuke_01

写真はUUUMのトピックスより転載。
空蝉Ⅱという展覧会タイトルで分かるように、これは昨年、やはりEIZOガレリア銀座でおこなわれたジェットダイスケ氏の写真展、空蝉(うつせみ)の続編。

Jetdaisuke_01

この同じテーマで二度目の写真展をおこなうのって、とても勇気と覚悟の要る話だと思っている。もちろん、モデル(モチーフ?)は今回クマゼミになっているとか、撮影地も違うとかあるけれど、自分の中でももちろん、オーディエンスから見ても、続き、ではなく、自ら殻を破った写真(セミだけに)でなければダメなはず。
その意味で、ライフワークのように同じテーマで挑むのはかなりのことだと(勝手に)思う。

Jetdaisuke_02

そしてそれは意味を持って成功していると思う。
脱皮する金色のボディは、文字通りセミヌードの美しさに満ちているし(結局、オヤジギャグですみません)、大判プリントの質感の見事さが迫る。
去年の写真展のときは、正直、蛍光灯の映り込むプリントより、EIZOの黒の締まった、それでいて階調の美しい4Kディスプレイの展示の方が印象的だったと記憶しているのだけど、今年はプリントの力が圧倒していた。
ハイエンドディスプレイの極みとも言えるEIZO(いまでもついNanaoと言っちゃうんだけどさ)が、こういう「プリント」主体のギャラリーを展開するのも素晴らしいことだと思う。

ただ、キヤノンギャラリーもそうなんだけど、メーカー系ギャラリーは日曜祝日が休館になるのが残念。この写真展も、土曜はあと1回のみ。

Jetdaisuke_03

そうそう、会場ではジェットダイスケ氏が在廊していて、一緒に写真を撮る人、サインをもらうひと、と大人気。
そして、美しいポストカードサイズの写真が4種類も「自由にお持ち帰りください」なのは豪気だなあと思ったのだけど、裏面を見て、さすがジェットダイスケ氏だと思ったのは内緒だ。

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2018年10月 5日 (金)

Photo EDGE Tokyo でEOS Rセッション

去年(2017)、参加したコマフォト主催のプロフェッショナルのための写真&映像展示会 Photo EDGE Tokyo 2018。今年は10月24日(水)、え〜、大学授業3コマの日なので行けないじゃん。悔しい。
と思っていたら、協賛社セッションで
広告写真家・南雲暁彦氏が語るEOS R SYSTEMの将来性
が発表された。

Akihiko_nagumo_photo_edge_tokyo

あー、やっぱ、EOS Rのセッションあるのか。
しかも南雲さんか。

Canon_session

先日まで、キヤノンセッションだけブランクだったので、これEOS R来るよなあ、と思っていたのだけど、やっぱりかあ。

ちょうど、EOS R発売前日のイベント。これは行くべきです〜。

EOS R & RF50mmF12L

実はワタシのところにもメディアレビュー用のEOS Rが来ていてテスト中。
南雲さん、フォトエッジとは別の場所で、情報交換しましょ〜(笑)

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